部分的にしか見えなかった
圃場の全体が見えた!
見える化により、
300圃場の生育ムラを解消を実現!

金子 和広さん
金子 和広さん

お客様プロフィール

紹介する機能 地力マップ・可変施肥&可変散布マップ・生育マップ・エクスポート機能・病害虫アラート
地域 新潟県
栽培作物 米・大豆・蔬菜
栽培面積・圃場数 水稲64ha、大豆3.5ha、蔬菜 0.2ha
従業員 10名

独自の販路を持つ、せせらぎのブランド米「侍米」

ーー集落営農から法人設立をした経緯を教えてください。

組合の先輩から聞いた話になりますが、当村でも農業就業人口の高齢化と減少問題の壁にぶち当たっていたところ、国が集落営農の法人化を推進していた流れを受けて、「農事組合法人せせらぎ」を設立することになったようです。
組合員のなかで親元就農だったのは代表のみ。あとはばらばらで、私も最初は実家の手伝いで農業をはじめました。組合のみなさんも、もともと兼業で農業をされていましたが、本業を退職後、そのまま農家になっています。Uターンしてきたのは私だけです。

ーーなぜ自社ブランド米「侍米(サムライス)」を発表されたのでしょう?

各産地で独自ブランドを開発する流れを受け、県から「ブランディング米をやってみませんか?」と声をかけていただき、その研修に参加したことがきっかけです。それから自社販売に注力したい思いが募り、県のプランナー紹介制度を利用し、本格的にブランド米の開発に取り組みました。

ーー新潟県のように水稲の比率が多いと、JAへの出荷や契約栽培が主だと思うのですが、「侍米」は独自に販路を開拓されてると伺いました。

「侍米」は直販のみで、独自の販路を持っています。業者に出す場合もありますが、その場合は「侍米」ではなく「コシヒカリ」として販売していて。直売分だけが「侍米」で、手がけている米の10〜20%ほどです。うち、JAS有機は0.2haで圃場1枚と少ないですね。
稲作は一般的な「コシヒカリ」と新潟県の奨励品種「コシヒカリBL」、それから「新之助」「あきだわら」。もち米の「ゆきみらい」「こがねもち」と計7種類を栽培しています。多品種なのは、それぞれの品質を落とさないよう作期分散するため。「新之助」などの県認証は20町歩ほどで、約30〜40%の割合を占めています。

お客さまの「おいしい!」を一番に、土づくりにこだわる

ーーGLOBAL-GAPの認証を取得したことによる付加価値はありましたか?

品質管理も審査項目に含まれているので、取得したことで組合員一人ひとりにより一層の責任感が芽生え、ミスが削減されたり、除草剤の使用量の確認にもなりました。出荷先のお客さまへのアピール要素にもなって、すごくよかったなと思っています。

ーー高品質と良食味を追求するために、土壌分析の実施や有機質重視の肥料の使用、化学肥料のバランスを考慮されていますが、どのような社内方針を掲げられているのでしょうか?

GLOBAL-GAPや県認証の制約を踏まえて量産していきたい気持ちはありつつ、第一はお客さまに「おいしい!」と思ってもらえることを大事にしながら米づくりに取り組んでいます。
そのため、ぼかし肥料の流し込みで生育促進をするなど、生態に合わせた土作りに毎年力を入れているんです。農薬も、県認証にしたがって全ての品種が5割減。品種によって収量を重視したり、逆にお客さまへの付加価値に配慮するなど、それぞれのニーズに合わせて栽培していますね。
圃場の様子

ザルビオのデータを活用することで、生育ムラが削減!

ーーザルビオを使うようになった経緯を教えてください。

新潟県農協からお話をいただいて、試しに登録したことからです。当社は約300の圃場がありますが、全ての圃場を登録しても年間使用料がそれほどかかりません。また、可変施肥対応の側条施肥田植機と併用してみたかったのも理由です。

ーーどのようなシーンでザルビオを使用されていますか?

導入1年目なので、まだ可変施肥がメインです。代表とは、「土づくりに活かしていくのは来年から」と話しています。個人的にも、ザルビオの生育マップをもとに土づくりを行うことは、とても興味がありますね。

ーー詳細な土壌分析をもとに、さまざまな取り組みをされているそうですね。

土壌分析の結果をもとに、鶏糞量などを決め、圃場へ均等に散布しています。しかし、ザルビオのデータを活用すれば、肥料が薄いところに濃く撒いたりと応用できるようになるので、来年は生育マップを活用しながらぜひやってみたいですね。

ーー可変施肥と側条施肥で、収量や品質に違いはありましたか?

収量や製品率に大きく変わりませんでした。ただ、生育データを考慮した可変施肥のほうが、生育ムラが少ないように感じ、ザルビオを見ても生育ムラの改善に役立っていました。施肥の設定値も改善が必要なので、そのあたりをケアすれば、間違いなく収量が上がると思います。
生育マップのサンプルイメージ

点から面へ。地力マップを活用し育成状況の把握範囲が拡大

ーー生育ステージ予測や病害虫アラート機能も使っていますか?

毎日パソコンでザルビオを開く習慣がなかったのですが、こがねもちにいもち病が発生した際、あとでザルビオを確認すると病害虫アラートが出ていました。後日プッシュ通信機能が追加されて、「こういう症状が出ているよ」と携帯に通知が来るようになったので、すごく便利になりましたね。

ーー夏からの圃場の見回りも大変そうですが、どのようにされているのでしょう?

7~8人で見回りを行うのですが、ザルビオの地力マップを併用することで、これまで点でしかなかったところが、面で把握できるようになったことに気づきました。ザルビオの活用イメージを掴んだので、来年へどうつなげていこうか今模索しているところです。ちなみに見回りでは、生育調査も行っています。

ーー生育調査はどのように行われているのでしょうか?

常勤の4人で約15〜18圃場を10日に1回、茎数や葉色、茎数などを調査し、それを受けて今後の方向性を検討しています。われわれが見てる点とザルビオの面を掛け合わせることで、より圃場の詳細なイメージが湧いてくる。それを使いこなせば、収量アップや食味向上、作業効率化にすごく活用できるんじゃないかなと思っています。

穂肥の数値を可視化することで、遠隔での管理が可能に

ーーザルビオの情報は、社内でどのように共有していますか?

アラートが鳴ったときは、その場所を管理している組合員に「アラートが出てるから注意してくれ」と伝えています。常勤の4人もたまにザルビオを見ていますが、代表と私が確認することが最も多いですね。

ーーパソコンやスマホに慣れてない方でも、ザルビオを導入できると思いますか?

柔軟な方なら問題ないのかなと思います。時代とともに農業への取り組み方も変わっていくので、私自身この流れは必然だと思っていて。当社はデジタルの操作に疎い方には、紙に印刷した地図を渡して、作業を行った圃場に丸を付けるかたちで報告してもらっています。それを常勤の4人がアグリノートに入力する方法で、社内で助け合いながらやっていますね。

ーーザルビオにおける援農指導のアドバイスで、役立ったことを教えてください。

生育ステージ予測から、穂肥のデッドラインの数値を教えてくださったのがすごくよかったです。「LAI3.0を下回っていたら生育が悪いかもしれない」と指導員に言われて見に行くと、葉色が薄くなっていて。つまり、葉面積指数(LAI)とザルビオの数値が一致してるので、遠隔で圃場の育成状態が把握できる。そのあたりの数値の見方はすごくためになりましたね。