集落営農でも大活躍!
作物の収量アップと、書類作業の時間を1/9に削減するザルビオの活用方法

眞木 優 さん
眞木 優さん

お客様プロフィール

紹介する機能 地力マップ・生育マップ・エクスポート機能
地域 佐賀県
栽培作物 米・小麦・大麦・大豆
栽培面積・圃場数 4ha・12圃場
従業員 ご本人のみ

化学肥料を全廃し、「宝の肥料」を活用した米の栽培に挑戦中

ーー就農の経緯についてお聞かせください。

私の家系は代々農業を営んでいたので、幼い頃から種まきなどの農作業を家族総出でやっていました。社会人になって就職してからも、忙しい時には家業を手伝うというのが当たり前というような環境だったんです。
父の後を継ぐと決めたのは、49歳の頃。父が農業を続けられなくなったこともきっかけでしたが、私は元々農業が好きだったので、勤め先だったインフラ系企業を辞めて専業農家になりました。

ーーどのような作物を栽培されているのでしょうか?

米と小麦、大麦、大豆です。麦については米の裏作という形で育てています。
また、大豆は地域の集団戦略作物という位置付けで3年に1度、約50haある地域の農地を3つに区切って、1地域ごとに3年に1度のローテーションで栽培しています。大豆を作ると土が窒素固定されますし、大豆を作った翌年には水田の天敵であるジャンボタニシが減少するので、戦略作物としてちょうどいいですね。

ーー眞木さんが栽培されている作物の特色を教えていただけますか?

米については、2000年から化学農薬・化学肥料を一切使わない特別栽培米を私が後を継ぐ前から続けています。また、慣行栽培米についても、2023年からは通常の化学肥料を全廃して堆肥でまかなっています。
慣行栽培米に使用している堆肥は下水道由来の堆肥なのですが、佐賀市の堆肥は全国から見学者が訪れるほど良質で、「宝の肥料」と呼ばれているんですよ。
堆肥の中には竹チップ、籾殻、廃白土、副生バイオマスなどが入っています。
眞木さんの圃場

ーー慣行栽培米と特別栽培米はそれぞれどのくらい育てていらっしゃるのでしょうか?

特別栽培米は多い時では0.5haやっていましたが、今は規模を減らして0.1haというところです。残りの3.9haでヒヨクモチという品種の慣行栽培米と大豆を育てています。

高齢化とそれに伴い農機に乗れる人も少ないことが地域の営農課題

ーー地域で農業を営むにあたり、他の方々とはどのように作業分担をされていますか?

乗用管理機や大豆コンバイン作業等があります。
例えば、乗用管理機では、運転手、作業の目印棒設置や安全確認をする者、水汲み係の3人1組で作業を行います。

ーー集落営農に関わる中で、日々どんな課題やお困り事を感じていますか?

高齢化による人手不足です。特に、共同の乗用管理機を運転できる人は、私を含めて4名しかいないのが現状です。
地域で農地を守っていかなければいけないという思いがあるので、私はオペレーターを担いながら、自身の農地の管理もしているため、繁忙期は、自分の作業と重なり大変です。特に、水稲、大豆の刈取から、麦播種時期は多忙を極めます。
稲を刈ったら、藁(わら)を均等に散らし、堆肥等を散布します。稲の後に大豆刈取が始まり、麦の播種に向けて圃場の水捌けを良くする為、サブソイラで地面に割れ目を入れます。その後、トラクターで藁等を鋤き込んだ後、大麦、小麦の播種となります。

ーー限られた人員と時間の中で作物を育てる上で効率化は欠かせませんね。眞木さんはザルビオをどのような経緯で知ったのでしょうか?

全国農業新聞の広告欄です。
農機具などの購入を検討するときにはいつもパンフレットに必ず目を通した上で比較・検討するのですが、ザルビオの広告は特長や機能がまるでパンフレットのように簡潔明瞭に書かれていて、「これだ!」と思ってすぐに導入を決めました。

生育マップ・地力マップを活用した結果、集落営農の作業計画に大きな変化が

ーーザルビオ導入後、集落営農の効率化に変化はありましたか?

ザルビオは事前の作業計画を立てるときに非常に役立っています。
地域の農地で育てた水稲を刈り取る際、この地区は1日何haずつ…というように日割りを決めるのですが、以前、地域の農家が集まったときにザルビオの生育マップをA4サイズに拡大プリントして会議資料として用意したら、「これ、すごいよかやん!」と好評を得ました。

ーー刈り取り以外の作業時にも、ザルビオは役立っていますか?

生育マップは除草剤を散布するタイミングを見計らう上でも役立っています。
例えば、麦は播種した後に初期除草剤をかけるのが一般的ですが、薬剤によっては芽が出てからかけても悪くはないものの、本当はその前に実施したいところ。
そんなときに、生育マップを使えば圃場の区画ごとに生育ステージがすぐに確認できます。マップを出力し、符号等も添え、「この色の区画に除草剤をかけてほしい」とオペレーターに伝えればひと目で作業する場所がわかってもらえるため、効率的かつ間違いなく作業を進めることができます。
作業計画に利用するザルビオマップ

農協提出用の書類作成時間を90%削減

ーー農業におけるさまざまな作業を、ザルビオによって効率化されているのですね。眞木さんならではの活用方法が他にもあれば、ぜひ教えていただきたいです。

毎月、各圃場ごとにGAP(農業生産工程管理)の書類を作成して農協さんに提出しなければならないのですが、ザルビオを導入する前はどんな除草剤や肥料をいつどれだけ撒いたかを日記帳から拾い出して記入していました。書類を作成するのに1圃場あたり約30分ほどの時間がかかっていたので、12圃場で総計時間360分はこの作業に時間を取られていたんです。
それが今では、ザルビオに記録していた作業日誌を、エクスポート機能を使って出力して提出用の書類に貼り付けるだけで完成するので、すべての圃場の記録を用意するのに30分ほどあれば十分になりました。
ザルビオのデータを利用した作業書類

地力マップを使った施肥で、収量が増加

ーー収量アップという観点ではどんな工夫をされているかお聞かせください。

圃場の地力マップを見て、「薄い緑の場所は地力が足りないので、有機的なものを入れて地力を高める」といったことができるようになりました。例えば、土を柔らかくして団粒構造化につながる卵の殻等を撒いたりします。
それと、自身の農地に施肥をするときには、12圃場すべての地力マップを頭に入れておいて、まずは圃場全体に100kg分の肥料をかけます。その後、地力マップで見た地力の低い場所に20kg分ほどプラスする…という形で撒くようにしています。

ーー地力マップを活用して追肥等をするようになったことで、作物の収量に変化はありましたか?

ザルビオのデータ上で耕作面積の『作物終盤の生育マップ』で成熟度合いが分かります。対してどれだけの収量があったかわかるのですが、コンバインで実際に刈取すると、生育マップとの相関性が実感できます。また、圃場毎の反当収量は確実に増えましたね。導入する前と後とでは確実に収量が改善しています。

ーー今後はザルビオをどのように活用されたいですか?

夢のような話かもしれませんが…私の住んでいる地域の農家同士が連携して、それぞれの圃場の生育マップをザルビオに入れて情報を共有して刈り取りをすることができれば、この地域全体の収入アップにつながるんじゃないかなと思っています。「吉野ヶ里がそんなことをしているのか、うちの地域でもやってみようかな」と、近隣にも広がっていったら、この地域一帯の農業がより良くなりそうだと感じています。